「やりたくないけどやっていること」をやめるには?

理想のビジネスというものがあると思います。

  • 自分(自社)が取引きを通してハッピーになる
  • お客さまも喜んでくれて
  • そして、十分に儲かる

「そんな取引きをしたい!」ってみんな思いますよね?
あなたはいかがでしょうか?

「そんな取引きをできたら苦労しないよ!」
そんな声も聞こえてきそうですが、

現実にはこんな声もよくお聞きします。

  • もう価格が高い商品は売れないよ。みんな安い商品を欲しがってんだよ。
  • そんな理想ばかり言ったって、もう市場がないんだから。
  • 売上をあげたかったら、イヤな客、イヤな取引きもしなくちゃいけないよ

そんなふうに思って、
あんまり欲しくないお客さま、
欲しくない取引きをしてしまっている。

そんな状況って、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか?
あるいは「今そんな状況だ」という方もいらっしゃることでしょう。

そんな状況からでも、未来が明るくなる。
そんな考え方について、本日はお話しいたします。

ある食品会社で商品の市場の話をされていました。

「低価格帯の商品が同業他社で結構売れている。売上もあげているみたい」

「今自社は、高価格帯の商品メインを想定しているので、
ちょっと方向性を見直したほうが良いんじゃないか?」

「低価格帯商品も準備して販売したほうが良いんじゃないか?」

そんな意見が出ました。

その会社の社長も「そうか、そうなのかな?…」と、
少し不安になっているようでした。

私は、
「低価格帯の商品を求めている消費者ってどんな人ですか?」
と尋ねると、

「あんまり味や品質にこだわりはなく、というかわからないと思いますね。」
「できるだけ安い方が良いと思っている人ですかね。」
とお答えになりました。

「低価格帯の商品を販売すると利益率はどうなりますか?」
と尋ねると、

「当然少なくなります。」と。

「すると、どれぐらい量を販売しなければならないですか?」
と尋ねると

「倍以上の量を販売しなければなりません。」
とお答えになりました。

「するとそれだけのお客さまを集客しなければなりませんよね?」
ということになったんですが、

偶然、数日後に、その食品会社で海外出張が決まっていました。

「実際どんなものが消費されているのか?市場の動向を生で見るいい機会だ」
という話になりました。

その出張は、海外の取引先のお店のオーナー(食品会社のお客さま)に呼ばれて
ということだったのですが、

なぜか私も食品会社の社長と一緒に
同行することになったんですね。

そしていざ海外の取引先のお店に着いて、
お店の商品を出していただいたのですが、

とても美味しくて上品な味でした。
「やっぱり、美味しいな!」ちょっと幸せな気分になりました。

お店のオーナーのお話を聞いてみると、
来店されるお客さまは商品の味がわかっていて、
より質の高い商品を消費したいと思っている方が多いそうです。

その後に、その街の同業他店に
何件か連れて行ってもらいました。

各店の商品を食したのですが、ちょっと驚愕でした。
素人の私でもわかるぐらい、味や品質が低かったのです。

美味しくないとは言いませんが、
明らかに味や品質が、そのオーナーのお店の商品とは違うのです。

食した後にちょっと残念な気分になりました。

そのときに、食品会社の社長は
「こんな味だと消費者がかわいそう。
もっと美味しいものを味わってほしい。」
とおっしゃっていました。

お店のオーナーは、

「こんな味でも一時は行列ができるほど盛況していました。
でも、今は客足は減っています。」

「消費者も話題になるからと言ってインスタ狙いで、
味はあんまり気にしてないんですね。
だからもう1回行こうとは思わない。」

「そんな店のオーナー会社も、
一時にドカンと稼ぐビジネスだということを
わかって仕掛けています。」

「私の店では、美味しくて質の良いもの、
ホンモノを味わって、楽しんでもらって、
末永くお店に通って欲しいと思っているんです。」

とおっしゃっていました。

その晩に、食品会社の社長は
「やっぱり私たちが喜んで欲しいのは、
ホンモノを提供して美味しいっていってくださる消費者、
そして、そんなホンモノを提供したいと思うお店や会社なんだ
ということを改めて再認識しました。」
と目を輝かせておっしゃっていました。

世の中で何かが爆発的にヒットしていたり、
とても成功しているように見える会社があると

「そんな風にしないといけないのかな?」
と思ってしまいがちです。

世の中で「安売り」という文字が踊り、
低価格帯の商品が売れていると

「自社もそうしなければならないのかな?」
と思ってしまいがちです。

でも、今回のケースで行くと
それは事実ではなかったのです。
頭の中での不安にすぎなかったのです。

それよりも、
「どんな人にどうなって欲しいのか?」

それがビジネスで一番大切なことだと
改めて気づきましたし、

それを求めている人、需要は必ずある
ということもわかりました。

だから目先のそういった世の中の動向に振り回されて
『自分のやりたいことを見失う』
っていうのは少し違うのかな?とも思いました。

苦しい状況のとき、困った状況のとき。

そんなときこそ、
『どれだけ儲かるか?損しないか?』ではなく、

『誰にどうなって欲しいか?』
『だから、何を提供するべきか?』
ということを、

基本に立ち返って考えるべきだと強く思います。

あなたには
「やりたくないけどやっている」ことはありますか?

やりたくないことを続けることで
あなたの未来はどうなるでしょうか?

あなたが本当にやりたいことって
どんなことでしょうか?

それをやることであなたやあなたのお客さま、
あなたが関わる全ての人はどうなるでしょうか?

あなたのビジネスが
少しでも良くなると幸いです。

本日は以上です。

ここまでお付き合いしていただいて
ありがとうございました。

それではまた会いましょう。

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