こんにちは、海堀芳弘です。
お客さんに選ばれるには競合に勝たなきゃダメ?
僕は起業して21年間ホームページ作成の仕事をやってきました。
起業前に「ホームページ作成ってどんな仕事?」ともし誰かに聞かれたとしたら、多分「ホームページを作る仕事」って答えたかもしれません。
でも、起業して21年経った僕の答えは「そうではない」と答えます。
もし僕が「ホームページを作る仕事」をやっていたとしたら:
- 競合と比較されていただろうし
- 値引きを要求されていただろうし
- 今のような良いクライアントとの関係も築けなかっただろうし
- 業者扱いをされていたかもしれない
- 競合に勝つために必死でスキルや資格取得を目指して疲弊していたかもしれない
じゃあ僕はホームページ作成のマイスターかというとそうではありません。
どちらかというとITはそんなに好きじゃないし苦手です。
世の中にごまんといる僕よりもサイト作成の技術やノウハウが上の人も、デザインが僕よりできる人もいます。
話し下手で営業が上手いわけでもありません。
それでも今の僕は:
- 自分が心底夢中になれる仕事をしている
- クライアントのビジネスや人生に関わるような仕事をしている
- クライアントに重宝されて、10年以上の関係性を築いている
- 僕の好きなように関わらせていただいている
- クライアントにご支持いただいている
そのように、お客さんに選ばれるためにはどうすればいいのでしょうか?
「なぜ技術やノウハウを極めても選ばれないのか?」
「なぜ一生懸命やっても競合と比較されるのか?」
答えは『商品価値3つの階層』を知って提供したら解決できます。
実は、あなたももうすでにこの『商品価値3つの階層』を提供してるかもしれません。
僕の体験を話した後に、『商品価値3つの階層』とは何か?について解説します。
僕の場合はホームページ作成の例ですが、他の業種も同じです。置き換えて聴いてもらえればと思います。
なぜお客さんに選ばれないのか?
商品で勝負しようとするから選ばれない
まず、なぜお客さんに選ばれないのかというと、商品で勝負しようとするからです。
商品で勝負しようとすると、競争の世界にどっぷりハマっている状態になってしまいます。
僕もサラリーマン時代は競争の世界にどっぷりハマっていました。
デザイナーとしてプロジェクトのチーフを任されていたとき、デザイン業務も行いながら、クライアントの会社に出向いて営業・打ち合わせをしていました。
先方に提案と見積もりを持って行くと、「どれだけ勉強してくれる?」と毎度言われます。
でも正当な算出の見積もりだし、これ以上下げると利益が減ってしまいます。
「これ以上は無理です」と突っぱねたつもりでしたが、あとで僕の会社の社長が交渉に行って、僕のいないところで値引きをしていたのです。
「なんで値引きするんや、相手の思う壺やんけ!」と理不尽やなと思いました。
競争の世界にハマっていた当時の僕の論理
でもそのときの僕の論理は:
- やることちゃんとやってるから正当な対価はもらわないと(商品を売る視点)
- 相手のことを値引き要求してくる理不尽な人だと思っていた(敵だと思っていた)
- 相手が叶えたいことなんて一切考えていなかった
結果僕は、競合と比較されて値引きを要求されたり、相見積もりされたり、業者扱いをされてしまっていました。
完全に競争の世界にどっぷりハマっていたのです。
仕事自体も今から考えると、相手の叶えたいことのためじゃなく作業的にやっていました。もちろんデザインしてるときは楽しかったですが、基本お金のためにやっていたのです。
相手が悪いと思っていましたが、結局自分の思考やスタンスが現実を創っていたのです。
世の中を見渡してみても、多くの人が:
- 競合よりもいい商品を提供しようとしてスキルアップに励んだり資格取得の勉強をしたり
- 競合が提供していないどこにもない商品を提供しようとしたり
- がんばって声がけしてセールスしたり
- 欲しくない人に無理やり買わせようとしたり
やっぱり、競争の世界にどっぷりハマっている状態なので、お客さんに選ばれないのです。
僕は運よくお客さんに選ばれることをしていた
お客さんに選ばれるようになるには?
お客さんに選ばれるようになるにはどうすればいいのでしょうか?
答えから言うと、相手の叶えたいことを聴いて、一緒にどうしたら叶うか?を考えることです。
多くの人が「営業=売ること」だと勘違いしていますが、本当の営業は相手の叶えたいことを聞いて、一緒にその道を探ることです。相手にとってパートナー的な存在になることなのです。
相手の叶えたいことを聞いて一緒にその道を探すことを続けていると、いつの間にかお客さんに選ばれ続けるビジネスができるようになりました。
これからそんな僕の体験談をお話しします。僕の例で話しますが、あなたのケースに置き換えて聴いてください。
起業当初のトップセールスマンとの出会い
ずっと僕はセールスは苦手だと思っていました。
セールスって:
- うまく話せる人がやるもの
- 売り込む技術が必要
- 欲しくない人に無理矢理売り込むもの
といった勝手なイメージを持っていたのです。
起業当初に、今もお付き合いのある何人かのトップセールスの方と同時期に出会いました。不思議ですね。
その当時知り合ったトップセールスの方が口を揃えて言うのは「お客さんが欲しいものを目の前に差し出すこと」でした。
そしてその方たちは、料理を振る舞ってくれたり、僕の喜ぶ企画を催してくれたり、みんな人を喜ばすことが大好きでした。
「トップセールスマンって相手のことをめっちゃ考えてるんや」って意外で感動したのを思い出します。
そんな方達との出会いで、営業、セールスの概念が変わりました。
「じゃあ相手に無理やり勧めたりしなくても、喜んでもらうことをすればいいんだ!」
「無理しないで自分自身でいいんだ」
すごくうれしい気持ちになって、心が楽になりました。
多分トップセールスの方も、僕にそういうマインドを感じてくれて、仲良くしてくれたのかなと思います。
その方々とは今もずっと親交が続いています。
ホームページ作成を頼まれたきっかけ
経営者の先輩に頼まれたことから始まったホームページ作成の仕事。
でも僕は当時、ホームページ作成なんてやったことなかったので、最初は技術的、機能的なことばかり考えていました。
- デザイン
- プログラミング
でも、実際に作成を進めていく中で、技術的、機能的なことよりも、もっと大切なことがあると気づいたのです。
ホームページを作る目的を考えたとき、経営者は「ホームページが欲しい」わけではなく:
- お客さんを増やしたい
- 売り上げを上げたい
- 自分のビジネスを良くしたい
と思っているはずです。
となると、その会社のお客さんから見て:
- 会社の魅力は何なのか?
- どんな価値を提供してくれる会社なのか?
- 自分の抱える問題をどんな風に解決してくれるのか?
そういった部分を言語化して伝えないと、本当にお客さんの心に響いて、お問い合わせや購入といった行動をしてくれるホームページは作れません。
そう気づいてから、先輩にビジネスについて詳しくヒアリングをさせてもらうことにしました。
最初は先輩に「なんでそんなことまで聞くの?」という怪訝な顔をされました。(笑)
でも、実際にインタビューして、ヒアリングさせてもらって、文章にまとめてそれをやりとりするといった体験をしてもらったら、
「自分のビジネスで大切にしている考えとか、こんな人にこんな価値を与えるビジネスをやってるんやなぁ、そんなことを改めて考えさせられたわ」
と言ってもらえて、喜んでもらえたのです。
ビジネスモデルの転換に貢献
あるクライアント会社の話です。
当初大手会社の下請け仕事が8割でした。
当時社長は「これからは自社でWEBから集客する時代だから、自社のホームページを作って集客して、元請けを8割に逆転したい」とおっしゃっていました。
縁があって僕がホームページの立ち上げから関わらせていただいたのですが、今本当にそのように逆転していて、8割どころか、今は自社集客100%になっっています。
自社集客のお客さんだとこんな状況に変わりました:
- 高単価商品が売れるように
- 利益率が飛躍的に上がった
- 下請けのときよりもゆとりを持って仕事できる(利益率が高いので仕事量を増やさなくて済む、自社のペースで仕事を仕切れる)
- お客さんと直接対面での仕事なので喜びの声が聞ける
- 社員も仕事が楽しくなった
クライアントから「本当はこういうビジネスがしたかったんだ」と改めて言われました。
理想のお客さんが集まるようになり、クライアントのビジネス自体が望んでいたかたちに気がついたらなっていたのです。
そんな会社の変革に貢献できること、間近で見せていただけることは、すごく喜びだし光栄に思います。
クライアントに教えられたこと
クライアントと仕事して一番得たものがあったのは僕自身でした。
クライアントのビジネスを言葉にしてコンテンツを作るという仕事を通して、いつの間にか『自分が大切にしたいこと』『自分がどう在りたいか』をクライアントから教えられていたのです。
実は、クライアントのコンテンツを作る中で、自分自身と向き合っていたのかもしれません:
- 「自分はどんな人生を送りたいのか?」
- 「どんなことを実現したいのか?」
- 「本当は、どんな人と、どんな関係性でいたいのか?」
理想の仕事とは?人生とは?を教えられていました。
お客さんに選ばれるために必要な商品の本質
そして最近、自分のビジネスや人生を振り返ってみて、お客さんに選ばれるためには商品で勝負することではなく、商品の本質を提供することだったと気づきました。
僕もそれをこれまで無意識にやってきましたが、実は商品の価値には3つの階層があることに気づいたのです。
商品価値3つの階層とは?
僕の仕事はホームページ作成の例ですが、あなたの業種に置き換えて考えてみてください。
①商品の機能的価値(表層)
- ホームページを作成すること
- プログラミングの機能や見た目のデザイン
- きちんと納期通りに納品すること
→競合と比較され競争になってしまう
②商品の成果的価値(中層)
- ホームページから集客できること
- 売り上げが上がること
- 問い合わせが増えること
→WEBから自社集客ができるようになること
③商品の本質的価値(深層)
- 自分のビジネスについて深く考えるきっかけになる
- 自分らしいビジネスの軸が明確になる
- 理想のお客さんとだけ付き合えるようになる
→本当はこういうビジネスがしたかったんだという状態になる
なぜ多くのビジネスが選ばれないのか?
多くのビジネスでは①の「商品そのもの」で勝負しようとします。
だから競合と比較されて値引きされたり、技術競争に巻き込まれて疲弊してしまうのです。
僕はそうではなくて、最初は②の成果が大事だろうと思って、お問い合わせが来るように、商品が売れるように考えてコンテンツを作ってホームページを公開しました。
もちろんお問い合わせが来たり、商品が売れたりするととってもうれしいです。成果報酬の契約の仕事もやっています。
でも実は、僕が無意識に提供していたのは③の「商品の本質」の提供だったのです。
相手の叶えたいことを聞いて、一緒にその道を探る中で、自然と相手のビジネスの本質的な部分に関わるようになっていました。
そんな僕のビジネスの姿勢が(まあ、僕の趣味でもあるので全く苦痛ではありませんが)結果として、クライアントにとってパートナー的な存在になれたと思います。
だから選ばれるためには、商品の本質を知ってその提供に尽力すること、つまり相手の叶えたいことを聞いて、一緒にその人の叶えたいことの実現をサポートすることが重要です。
それは僕にとってもかけがえのないやりがいのある楽しいうれしい仕事なのです。
まとめ
今日のポイント
「技術やノウハウを極めても選ばれない」「競合と比較されて値引きされる」そんな状況を抱えているときは、商品で勝負しようとしています。
商品で勝負しようとすると、競争の世界にどっぷりハマってしまって、お客さんに選ばれづらくなります。
お客さんに選ばれるためには商品の本質を提供することが大切です。
商品価値3つの階層:
- 機能的価値(表層) – 商品そのもの
- 成果的価値(中層) – 商品がもたらす結果
- 本質的価値(深層) – お客さんの人生やビジネスの本質的な変化
商品の本質を提供するためには、相手の叶えたいことを聞いて、一緒にその人らしいビジネスの実現をサポートすることが大切です。
これはどの業種でも同じで、相手の表面的なニーズではなく、「本当は何を実現したいのか?」を一緒に探るということです。
最後にあなたに質問です。
ぜひ、考えてみてください。
今日もここまでお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたの助けになって、あなたが少しでも元気になれたらうれしいです!